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Studies on the Diagnosis and Molecular Epidemiology of Avian Influenza / 鳥インフルエンザの診断ならびに分子疫学に関する研究

H7インフルエンザウイルスの感染に起因する鳥インフルエンザの迅速診断法の確立、鳥インフルエンザウイルスM遺伝子の系統進化解析ならびに高病原性鳥インフルエンザウイルスCk/Yamaguchi/04 (H5N1)の宿主域を決定する因子の解明を目指して研究した。H7亜型ウイルスの感染による鳥インフルエンザの迅速診断キットを開発した。このキットは検査に用いたすべてのH7ウイルスを特異的に検出した。さらに、このキットは、実験的に感染させたニワトリの組織乳剤および気管とクロアカのスワブからH7ウイルスを検出した。以上の結果から、本キットが迅速診断に有用であり、鳥インフルエンザの制圧に貢献するものと期待される。2000から2007年の間に、北海道で渡り水禽から28通りの異なるHAとNAの組み合わせのインフルエンザウイルス218株が分離された。分離年と場所に基づき、67株を選び、M遺伝子の塩基配列を決定した。その結果、異なる亜系統に属するウイルスが自然界の水鳥の間で受け継がれて存続していることが明らかになった。さらに、台湾で分離されたH6N1インフルエンザウイルスが、渡り鳥の太平洋飛翔路に沿ってもたらされたものであることも明らかになった。また、北海道で分離されたウイルスがヨーロッパおよびアジアの多くの国で分離された株と近縁な系統関係にあることが明らかになった。この知見は、水禽が、その飛翔路に沿ってウイルスを運搬するばかりでなく、それを越えてウイルスを拡散する役割を演ずることを示している。ブタが鳥インフルエンザウイルスとヒトのウイルスの遺伝子再集合体を産生するmixing vesselとして、過去のヒトの新型インフルエンザウイルスが出現したことが証明されており、また、ブタは多くの亜型の鳥インフルエンザウイルスに感染 することが知られている。ところで、日本でニワトリから分離された高病原性鳥インフルエンザウイルスCk/Yamaguchi/04 (H5N1)株は、ブタに実験感染しなかった。この株がブタに感染しない分子基盤を明らかにするため、ブタ分離株との遺伝子再集合ウイルスをリバースジェネティクスによって作出して解析した。その結果、PB2遺伝子のみがブタ分離株由来の遺伝子再集合体がブタで増殖することが判った。さらに、H5N1ウイルスのPB2タンパクの2アミノ酸残基の置換がブタにおける増殖と関連することが明らかになった。 / Hokkaido University (北海道大学) / 博士 / 獣医学

Identiferoai:union.ndltd.org:HOKKAIDO/oai:eprints.lib.hokudai.ac.jp:2115/34933
Date25 September 2008
CreatorsManzoor, Rashid
Source SetsHokkaido University Japan
LanguageEnglish
Detected LanguageJapanese
Typetheses (doctoral)
Format87p.

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